「母乳がいいって聞くけど、本当にそうなの?」
「母乳が出なくてつらい…」
母乳にはたくさんのメリットがありますが、「母乳だけ」が正解というわけではありません。
また、ミルクにもそれぞれの良さがあります。
この記事では、科学的根拠をもとに、母乳のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
母乳のメリット
① 赤ちゃんを感染症から守る
母乳には抗体や免疫細胞などの免疫成分が含まれています。
そのため、
- 胃腸炎
- 呼吸器感染症
- 中耳炎
などの感染症のリスクを減らすことが報告されています。
特に生後6か月頃までは、赤ちゃん自身の免疫が未熟なため、母乳の免疫成分が役立ちます。
② 赤ちゃんに必要な栄養を届けられる
母乳には、赤ちゃんの成長に必要な栄養がバランスよく含まれています。
さらに、
- 初乳では免疫成分が豊富
- 成熟乳では成長に合わせた栄養バランス
など、赤ちゃんの発達に合わせて成分が変化するのも特徴です。
※現在の育児用ミルクも、赤ちゃんに必要な栄養が摂れるように作られています。
③ 消化吸収しやすい
母乳は消化しやすく、赤ちゃんの胃腸への負担が少ないとされています。
一方で消化が早いため、お腹が空きやすく、授乳回数が多くなることがあります。
④ お母さんの体の回復を助ける
授乳によって分泌されるホルモンには、
- 子宮の回復を助ける
- 産後の出血を減らす
など、産後のお母さんの体を回復させる働きがあります。
⑤ 災害時にも授乳できる
母乳は、
- お湯がいらない
- 哺乳瓶がいらない
- 消毒がいらない
ため、災害時や停電時にも授乳を続けやすいというメリットがあります。
母乳のデメリット
① 授乳の負担がお母さんに集中しやすい
母乳育児では、授乳そのものはお母さんが担うため、
- 夜間授乳
- 頻回授乳
- 睡眠不足
などで疲れがたまりやすくなることがあります。
しかし、この負担は「授乳を誰がするか」だけで決まるものではありません。
例えば、
- おむつ替え
- 抱っこ
- 寝かしつけ
- 沐浴
- 家事
- 上の子のお世話
など、家族が担える役割はたくさんあります。
授乳をシェアしなくても、育児はシェアできます。
② 飲めている量が分かりにくい
母乳は飲んだ量を目で確認できません。
そのため、
- 体重の増え方
- おしっこの回数
- うんちの回数
- 赤ちゃんの様子
などを総合的に見ながら、十分飲めているかを判断します。
③ 乳房トラブルが起こることがある
母乳育児では、
- 乳頭の痛み
- 乳房の張り
- 乳腺炎
などのトラブルが起こることがあります。
痛みや発熱がある場合は、我慢せず助産師や医療機関へ相談しましょう。
④ お母さんの体調に影響を受けやすい
体調不良や睡眠不足などで授乳がつらくなることがあります。
一人で抱え込まず、家族や周囲のサポートを受けながら続けることが大切です。
ミルクにもメリットがあります
母乳と比べて「劣っている」ということではありません。
ミルクには、
- 赤ちゃんに必要な栄養が摂れるよう設計されている
- 飲んだ量が分かりやすい
- お母さんが外出や通院しやすい
- 医学的な理由などで母乳が難しい場合にも赤ちゃんを育てられる
などのメリットがあります。
母乳とミルクを組み合わせる「混合栄養」が合う家庭もあります。
大切なのは「家族みんなで子育てを支えること」
母乳には多くのメリットがあります。
一方で、「母乳だけが正解」でも、「負担が大きいからミルクにすべき」でもありません。
授乳はお母さんにしかできないことが多くありますが、育児は家族みんなで支え合うことができます。
授乳を分担することよりも、育児全体を分担すること。
それぞれの家庭に合った方法を選び、赤ちゃんと家族が安心して過ごせることが何より大切です。
まとめ
母乳のメリット
- 赤ちゃんを感染症から守る働きがある
- 赤ちゃんに必要な栄養を届けられる
- 消化吸収しやすい
- お母さんの産後の回復を助ける
- 災害時にも授乳しやすい
母乳のデメリット
- 飲めている量が分かりにくい
- 乳房トラブルが起こることがある
- お母さんの体調に影響を受けやすい
保健師からひとこと
母乳とミルクのどちらを選ぶかに「正解」はありません。
大切なのは、赤ちゃんが健やかに育ち、お母さんや家族が無理なく子育てを続けられることです。
そして、授乳は一人で担う場面があっても、育児は家族みんなで支えることができます。
それぞれの家庭に合った方法を選び、安心して子育てを続けていきましょう。

